脱税報道1

 昨年末、家でテレビを見ていると脱税のニュースが大きく報道されていました。報道内容によると、調査対象となった法人とその代表が、法人税および消費税を不正に免れた疑いで、東京国税局の告発を受け、東京地検に在宅起訴されたとのことでした。

 また、その脱税額は、法人税・消費税を合わせて約1億5,000万円規模と報じられており、
脱税の手口は架空の業務委託費虚偽の経費計上であったと報道されています。

 報道では2021年1月期から2024年1月期の4年間での不正所得を報道されているので、当該法人について検索してみると、2020年に設立された法人でした。

 消費税の修正が2023年と2024年の2年間だけとの報道だったので、まあそうかなとは思う反面、それ以前の個人で事業していた時期はどうなのだろうと気になりました。

 ところで、今回の脱税の手口である架空の業務委託費ですが、税務調査でも業務委託という

のは不正の多い項目です。ネットで検索してみるとわかりますが、大手の会社が業務委託費を用いた脱税をしていたケースはよく見受けられます。

 この業務委託とは、社外の業者等に業務の一部を委託するものですが、その業務内容によっては、対外的にその実態が不明瞭なものもあることから、不正の手口として用いられやすい側面があります。

 特に、業務内容が抽象的で成果物が明確に残りにくい業務委託については、実際に業務が行われていたかどうかを第三者が判断しづらく、税務上のチェック対象になりやすいとされています。

 そのため税務調査では、契約書や請求書の形式だけでなく、実際の業務内容、やり取りの記録、成果物の有無などを総合的に確認し、実態を伴った取引であったかが厳しく検証されます。

 業務委託費は本来、正当な経費として認められるものですが、その性質上、不正に利用されやすい項目でもあることから、企業にはより高い透明性と説明責任が求められていると言えるでしょう。

 また、今回の調査対象となった法人においては消費税の不正還付を受けようとしていたという点も注目です。

 国税庁は、消費税の還付申告における不正還付の防止・摘発を重要な課題と位置づけ、申告内容の厳正な審査や不正の疑いのある申告に対する実地調査、悪質事案の刑事告発などに取り組んでいます(国税庁報告書2025年英文版ほか)。また、国税庁は広報活動として「消費税の不正還付を許さない!」といった啓発動画も公開しているように、消費税の還付申告に対して、申告内容を精査して不正還付を防止するようにしているようです。

 今回のケースでも、不正還付を受けようとした段階で調査が入ったような報道のされ方ですので、還付申告をした時点である程度マークはされていたのかもしれません。

 今回の報道は、業務委託費や消費税還付といった論点について、企業がどれほど高い透明性と説明責任を求められているかを改めて考えさせるものです。この出来事が、適正な税務処理と健全な経営体制の重要性を再認識する契機となることを期待したいと思います。

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